その時に見えた男の人の上靴を見て、
「あ、2年生ですか?」
と、問いかけた。
この学校は、上靴の色で
学年分けされているのだ。
ちなみにあたしら1年が緑で
2年生が青。そして3年生が赤である。
「もしかして今知った?
俺、結構有名なんだけどなー…なんて」
と、先輩は少し笑いながらも
あたしの指を器用にテーピングしていく。
「いや、でもそれだけイケメンでしたら
有名にもなりますよね……!」
……あたしは初めて見たけれども。
「クスッ…残念だけど、それとは別かな。
他のことで有名なんだよねー俺。」
「え。他のこと、ですか?」
「そう。なにで有名だと思う?」
先輩はふっと微笑んで
そう、問いかけてきた。