身支度を済ませて荷物をまとめていたら、寝室から出てきた蒼に腕を引っ張られた。 「え、なに?」 「ご飯食べて」 「…時間ないからいい」 「よくない。誰の為にご飯作ってると思ってんだ」 「だって時間ないし」 「一口でいいから」 怖い顔でそう言われると、「食べない」だなんて言えなくて。 「…わかった」 並べられた食事に手をつけながら、朝方の出来事は夢だったんだろうか…? そう思う自分がいた。