………ピピピピ
耳元でうるさいほどに鳴り響くアラームの音で目が覚めて、ハッと体を起こす。
「おはよー」
呑気な声が聞こえて振り向くと、鏡の前で蒼が着替えているところだった。
「…今何時?」
「あと30分で家出るぞ」
「え、……え!?」
慌てて目覚ましを止めて時間を確認すると、既に30分を切っていた。
「なんで…、早く言って!!」
「声掛けても起きなかったのは季蛍だろ」
「ん〜!」
着替えを引っ張り出して寝室を出ていくと、リビングのテーブルには朝ご飯が並んでいる。
「さっきはあんなに早く起きたのに…ッ」