騒がしい音が聞こえて時計を見上げると、朝の5時。
扉が雑に開いて目をやると、部屋から季蛍が顔を出す。
「…おはよ、早いね?」
ボーッとしながらリビングにやってくる季蛍は、重そうな瞼を必死に開いて言った。
「朝ごはん作る…」
ボーッとしたままキッチンへ行く季蛍に、単刀直入に聞いてみる。
「酒飲んだの?」
「酒?…………酒?」
「酒」
「え、えっ…なんで知ってんの!?」
「え?なに、黙ってるつもりだったの?」
キッチンへ逃げようとする季蛍を捕まえて、片手で頬を挟んでやる。
「いいの?お酒なんか飲んで」
「…は、離して」
「高島も一緒だったの?昨日」
「…は!そ、そう!一緒だったんだった!」
「当直なのに?」
「……」
「嘘つくな」
「…どうしても断れなくて」