それからパソコンの手が止まると、季蛍は何かを言いたそうに下からずっと見上げていた。
「…来る?」
片手を広げて少し待ってみると、きゅっと唇を噛み締めた季蛍が胸の中に飛び込んでくる。
「…何かあった?」
「なんも、ない…」
…何かあるだろ?
って聞きたいところだけど、その言葉は飲み込んでおく。
「…疲れてるのね。お疲れさま」
引き寄せてぎゅっとしてやれば、1分もたたないうちに寝息が聞こえていた。
…今日の季蛍はどこかおかしい。
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