「どーしてもやらないの?」



「…。」




苦笑いの先生を前に、怖くて体が硬直したまま動けない。



「…ほんとに一瞬。約束する」



そう言われても注射器のトレーを見ると、手の震えが止まらなくなった。




「本当に一瞬。…できない?」




「…したい、けど…むり…」




矛盾していることをボソボソと呟いたら、先生は可笑しそうにクスクス笑っている。



「血液検査、したいの?」



「…ッしたくない、」



「んふふ。頑張ったら上野先生に報告できるよ」




「…でも、」