私は思いっきり泣いた。
胸から流すのは失恋の痛手だったはずなのに、あの時私の胸から流れて消えたのは、塚田クンを想うキモチだった気がする。
泣きはじめると同時に、いろんなことが頭の中を駆け巡っていた。
塚田クンとの出会い。
好きになった日。
片想いでも幸せだった毎日。
親友の優も塚田クンを好きだと知った日。
頭が真っ白になった。
どうしたらいいのかわからなくて、結局言えなかった。
“私も好き”って。
塚田クンと優が付き合うって聞いて、絶望した。
“よかったね。おめでとう。”
そう言った私の笑顔は引きつってたんじゃない?
優の幸せそうな顔を思い浮べるだけで辛かった。
何より、親友の幸せを喜べない自分がイヤだった。
涙はしばらく止まらなくて。
その間今井クンは、何も言わずに傍で黙って私を見守ってくれていた。
そのぎこちない優しさに胸が安らぐ。
重かった体が軽くなる。
いろんな想いから、解放されていく感じだった。