ガラガラ


ドアの開く音がして、慌てて涙を拭いて振り返ると、そこには今井クンが立っていた。


「今井クン……どうしたの?あっ、忘れ物?」


泣いていたのがバレないように、無理矢理笑ってみせた。


でも、彼の表情が何だか切なげに見えて。


そんな顔を見せられたせいで思い出してしまった。


切ないキモチ。


苦しいキモチ。


胸の奥から溢れ出すのと一緒に涙が溢れ出した。


「泣いていいよ。」


そう言った彼の優しい顔が、今でも忘れられない。