「はぁ……俺って最低ー…」


早飛に彼女を誘わせた。


友達思いのいいヤツ…


周りの目にはそう映るんだろうか?


でも、俺は早飛のことなんか考えちゃいない。


“早飛のため”


そんなの本当は嘘。


全部全部、嘘なんだ…




「おっ、いいねぇ。」


「だろ?」


「私も賛成!!いいよね、梨々?」


教室から早飛たちの会話が聞こえてくる。


この様子からすればOKなんだろう。


彼女の答えなんてわかりきってる。


いちいち聞く必要もない。


それにしても…


早飛がこんなに余裕なくしてるところなんて初めて見た。


「ダサっ……格好悪いじゃん……」


誰が聞いてるわけでもないのに、俺は一人、呟いた。