もう来ないかもと諦めかけた瞬間、俺の視界にキミが映ったんだ。



ピンポーン


チャイムが鳴って、高野が玄関に向かった。



「おっ、やっと来た。遅ぇよ。」


「しょうがないじゃん。女の子はいろいろ準備が大変なの。」


何のためらいもなくズカズカ上がってくる二人の後ろに、まるで隠れるように小さくなる彼女。


初めてみる私服姿にドキドキした。


ジッと見つめていると顔を上げた彼女と目が合った。


瞬間的に目を逸らされたけど、ショックを感じてる暇はなかった。


思わず固まってしまった。


心臓は爆発しそうなくらいうるさくて、体中が熱くなるのを感じていた。


目が合った瞬間、遠目でもわかった。


瀬川、化粧してる…