いくら探しても見当たらない彼の姿。


「はぁ。」


思わずため息がもれる。


今頃かわいい女の子たちと遊んでんのかな…


そう思うとまたため息が出てきて。


楽しみだったはずの放課後が突然憂欝になる。


早く帰りたい。


優、早く来ないかな。


そんなことを思いながら机に顔を伏せていると、『ガラガラ』っと突然ドアが開いて、私は勢い良く顔をあげた。


「瀬川、何してんの?」


「い、今井クン!?」


緊張のあまり、声が裏返る。


そんな私を見て彼はクスッと笑った。


ドキッ


その笑顔を見るだけでドキドキして、息が苦しい。


「何やってんの?」


「わ、私は優を待ってんの。」


上手く口がまわらない。


心臓がバクバクいって、声が震えてちゃんとでない。