「誘いたいなら自分で誘えよ。お前が誘わないなら俺は他のヤツ誘うからな。」


高野はさっきから何度もこの言葉を繰り返している。


「わかってるよ。」


そう言いながらもなかなか踏ん切りがつかない。


今日は二学期終業式で、明日はクリスマス。


男子だけの予定だったクリパに女子を呼ぼうという高野の提案で、クラスの女子を誘うことになった。


高野が名前をあげたヤツらは、いつも俺らに寄ってくるケバいヤツらで、それに俺は猛反対した。


「じゃあ誰ならいいんだよ。」


怪しい笑みを浮かべながら聞き返してきた高野を見て、ようやくハメられたことに気付いた。


「じゃあお前が誘って来いよ。」


真っ赤になる俺を見て必死に笑いを堪えている高野が鬼に見えた。


できるわけねぇじゃん。


それに、誘うなんて下手したら好きってバレんじゃん。