「何で…?ジュース買いに行ったんじゃ……」


いまいち状況が掴めていない私は、目の前ではぁはぁ息を切らしてる彼に思わず見とれていた。


「財布、忘れたの…気付いて……電話きて。瀬川、持ってかせたって聞いて……でも、なかなか来ねぇから……何かあったんじゃないかって…心配で……」


なかなか言葉が出てこなくて、やっとの思いで口にしたのは、


「ありがと……」


たった4文字だけだった。