「今日で二学期も終わりだ。明日から冬休みになるが、ハメをはずしすぎないように。」


先生の長い話が終わり、もう半分以上の生徒が下校して行った。


塚田クンとラブラブな優は今日もデートらしく足早に帰っていった。




「冬休み何する?」


「てかクリスマス一緒にやろうよ。」


この二人は矢島 弓菜と吉川 七海。


彼女たちとは席が近くなったことをきっかけに仲良くなった。


弓菜と七海はギャル系な感じだから、私たちとは関わりないかなって思ってたけど、意外と話が合って、それからすごく仲良くなった。




ドンッ


すごい音がして振り替えると、今井クンが机にぶつかって倒れていた。


「うわっ、早飛、大丈夫?」


今井クンに気付いた弓菜が透かさず声を掛けた。


「早飛ダサい。」


七海もお腹を抱えて笑っていた。


そんな二人の横で、私だけがボーッと彼を見つめていた。


少し赤く染まった顔。


照れたように頭を掻く仕草。


瞬きすら忘れていた。


「梨々、大丈夫?」


「あ、うん……大丈夫。」


名前を呼ばれて我に返ると何だか急に恥ずかしくなって目を逸らした。