「叶わない片想いとか、辛くない?」


一瞬ビクッと反応する彼女。


「見てるだけで幸せだから…」


その顔を見てわかったんだ。


辛くないわけないよな。


俺と同じなんだって。


だから、俺は言えなくなったんだ…


「瀬川がそれでいいなら俺は何も言わないけど。もう前みたく一人で泣くなよ?」


すぐそこまで出てきた言葉を飲み込んで、声を振り絞った。


なのに。


「今井クンって優しいよね。もっと怖い人だと思ってた。」


何でそんなこと言うんだよ?


何でそんなに嬉しそうに笑うんだよ?


「別にそんな……俺、優しくなんてねぇし。」


そんな顔するから。


「今井…クン……?」


俺はどんどんキミを好きになってく。


壊れそうなくらい好きになってくんだ…






「りぃー、遅くなってごめん。」


「あっ、優……」


「あっ、じゃあ俺帰るわ。」


「あっ……」


そんな切なそうな顔するから。


「ヤ…ベー……」


俺は夢を見続ける。


叶わない夢を見てしまうんだ。