あれ以来、瀬川は俺を避けている。
目が合うと気まずそうに目を逸らされる。
瀬川のそんな態度にショックを受けながらも、気づけば自分から避けるようになっていた。
避けられるのが辛い。
だから自分から避けた。
俺から避けてしまえば、俺と瀬川が関わる機会なんてなくなってしまう。
話すことも、目が合うこともない。
そんなことわかってたはずなのに、いざそうなるとやっぱりショックで。
話し掛ける勇気なんてないくせにどこかで期待している。
そんな自分が情けなくて、何だか虚しい。
気づけば階段まで来ていて、俺は一瞬立ち止まった。
チラッと振り返ると、男子数人と何か話している瀬川たちの姿があって、思わずため息が漏れる。
付き合えなくたっていい。
ただ普通のクラスメイトでいられればいいのに。
そんな願ってもいないことを思ってはため息を漏らす。
そんなことばかり繰り返していた。