「うっそ。早飛一番後ろの席じゃん。いいなぁー」


窓の近くから聞こえてきた高野クンの声。


高野クンが指差した方には既に席を移動し終わった今井クンの姿。


彼が座っている席は、ちょうど私の隣の席だった。





「どうしよ…」


フラれたことをきっかけに、ずっと避け続けていた。


そのせいで、まともに顔を合わせるのはたぶんバレンタイン以来。


かなり気まずい。


“残り物には福がある”


なんて言ったのは誰だよ?


福なんかないじゃん!!


思わずため息が漏れ、私を足を止めた。


何でよりによってこんなときに隣になんてなっちゃうんだろう…


右手に持った紙をジッと見つめながら、自分の運のなさを嘆いていた。