しばらくすると、早飛は小さな声で話しはじめた。


「俺さ…。高野がチョコ貰ったとき、嫉妬した。俺は義理さえ貰えないのにって。けどさ……実際貰うときついわ。何で本命じゃないんだよって…、思っちまった…。俺、勝手だな……」


「義理?」


「そ…。お前と同じだよ…。ありがとうって意味なんだろ…?俺もそんなようなこと、言われちまった……」


「何て?」


「慰めてもらったり、助けてもらったりしたから。だから……って。ありがとうしかねぇじゃん、その後はさ…」


“好き”


そう言いたかったんじゃないんだろうか?


早飛を見下ろしながらそんなことを思っていた。