キーンコーンカーンコーン


昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、瀬川は泣きながら教室に入ってきた。


遠くから聞こえてくる彼女の震えた声。


「フラれちゃった…」


耳を疑った。


何で…?


フラれた?


アイツ、何で?


そう思ったら黙ってなんていられなくて。


俺は教室を飛び出した。


何も考えもせずに走り出した。


階段を下りようと角を曲がったすぐそこにアイツはしゃがみ込んでいた。


頭を抱えて、泣いているようにさえ見えた。


そんな早飛に、俺はやっぱり何も言えなかった。