「あ、瀬川だ…」


俺が走っていると、前の方に俯きながら歩いている瀬川が見えてきた。


緊張してんのか?


そんなことを考えながら、俺はダッシュで駆け寄った。


「おはよう、瀬川!!チョコはぁ?」


「うわっ!!びっくりしたぁ〜。高野クンかぁ〜」


ふぅ〜と息を吐くと、瀬川はカバンに手を突っ込んで俺の分のチョコを探しだした。


「はい。いろいろありがとね。」


手渡しながらそう言うと、彼女はニコッと笑った。


そんな彼女の笑顔に、一瞬見とれてしまった。