最低だな、俺。
何あたってんの?
早飛のこと言える立場かよ?
何も知らなくて当然じゃん。
言ってねぇもん。
言えなくて当然じゃん。
早飛みたいに悩めねぇもん。
なのに何でだよ?
消えねぇよ、このキモチ。
何でだよ?
消せねぇよ…
「高野!!」
突然大声で呼ばれ、少し驚きながら振り返ると、早飛が俺の方に駆け寄ってきた。
「早飛…」
気まずくて俯く俺に、早飛は迷わず謝ってきた。
「あのさ……さっきはごめんな。自分のことでいっぱいいっぱいになっちまって。しかも高野にあたったりして…本当、悪ぃ。」
早飛の顔がまともに見れない。
自分が醜くてしょうがない。
「謝んなよ…俺、すげぇ最低なのにさ……」
あの日、決めたはずだった。
このキモチは絶対言わないって。
なのに何でだろうな…
溢れてきちまった…
「えっ?」
「俺、これから先、お前に協力してやれないこともあるかもしれない。俺、そんないいヤツじゃねぇから。そんだけ。じゃあな。」
それだけ言って逃げてきた。
彼女を想うキモチを、どうしたらいいのかわからない。
消えてしまえば楽なのに、それは何だか虚しくて。
どうしたらいいのかも、どうしたいのかも、俺には全くわからなかった。