ドアを開け教室に入ると、教室はやけに賑やかだった。


「梨々、どうだった?」


七海の言葉や弓菜の視線に私はいつも通り笑って応えた。


「フラれちゃった…」


自分の言葉に自分で泣きたくなった。


わかっていたはずだった。


フラれる覚悟で告白したつもりだったのに…


“チョコを受け取る=OK”


じゃないんだ。


“ありがとう”


そう言われて勝手に舞い上がっちゃって。


もしかして今井クンも…


なんて考えてしまった。


「何で涙なんか出てくるんだろう?わかりきってた結果なのに…」


泣きじゃくる私を慰めるように、二人はただギュッと手を握ってくれた。