それからは中学時代の優の話をしたり、塚田クンののろけ話を聞きながら歩いた。


病室までいくと待ちくたびれた優が声を張り上げた。


「遅い!!」


膨れる優を見て二人で笑い合った。





「じゃ、私帰るから。」


そう言って病室を出ようとすると


「あ、梨々、ちょっと…」


引き止められ優に手招きされた。


近寄ると耳に手をあてボソッと呟いた。


「チョコはハート型にしなよ。」


「ちょっ、優!!」


慌てる私を見てくすくす笑う優。


「もー……じゃあ帰るからね。」


呆れた口調でそう言って振り替えると、優はまるで悪戯っ子みたいに笑って手を振っていた。


相変わらずだな、そう思いながら病室を出た。