「はぁ……やっぱ私、何かしちゃったのかな…?」
「…さぁ………?私もよくわかんないけど…」
弓菜は首を傾げて今井クンの方を見た。
「意外と一途なんだよ…」
「えっ?何て?」
弓菜の言葉が上手く聞き取れなくて聞き返した。
「もうすぐバレンタインだから頑張んなって言ったの。」
弓菜の言葉に思わず固まる。
バレンタイン…
そうだ…
もうすぐバレンタインだ。
チョコ、渡さなきゃかな?
助けを求めるようにチラッと弓菜の方を見ると、
「ダメ。絶対渡すの。自分でね。」
と言ってニヤッと笑った。
「バレンタイン、チョコ渡すの?」
すぐ隣でクラスの子たちと昨日のドラマの話で盛り上がっていたはずの七海が、目をキラキラさせながら私を見てくる。
「手作りでしょ?チョコ?クッキー?ね、ハート型にしちゃいなよ〜」
なんて言って勝手に盛り上がっていた。
「ちょっと、七海止めてよ。もー…」
「優に連絡しなきゃ!!」
そう言ってはしゃぐ七海を見ながらため息が出てる。