１日目（前編）

奴等の戦いが始まる日。
彼らはフェンシング部。まだあまり日本に普及しておらず、人口もあまりいない。つまり、他の部活に比べて部員を集めるのが大変だ。
「おい！聞いたか？今年の一年に去年の全中チャンピオンがいるらしいぜ？」
「あーわかったから。とりあえず部員集めるぞ！」
「そーじゃなくて！」
「なんなんだよ？」
いつもの光景。喧嘩をしているのは今年の高2の十勝海　佐山灯也。二人はいつもぶつかっている。今回だってそうだ。
「こら！そんなこと言ってたら、部員入いんないじゃん！」
彼女は同じ高2の桜山千歳。マネージャーをしている。
「フェンシングのチャンピオン。名前くらいは聞いたことがあるだろ？大山悠がはいって来たんだよ～」
すると後ろから小さな声がきこえた。振り返るとそこには、童顔の中学生のような少年がいた。
「先輩初めまして。大山悠です。ちょっと前からここにいたんですけど‥気付きませんでした？」
（ここにいたのかよ！）
三人の心が一致した瞬間だった。