「うん。」

静かな…綺麗な……何て形容していいかわからない、あたしに向けられたたった一言。

コータローの声は、よく通る。

「ゆうちゃんが、コータローみたいなのが…タイプなんだって。で、仲良くなれたらなぁ〜的な話になって……。」

「ふーん…。それだけ?」

「それだけ…かな。」

再び歩き出すあたし達、コータローは何かを考えているみたいだった。


「あ…れ……?どうしたの?」

コータローは自分のクラスに戻らずに、あたしについて来ていた。

「いや、さっき言ってた、ゆうちゃんだっけ?顔見て行こうかなと。」

「…。」

そうだろうと思ってはいたけど、コータローって行動派だな。

なんて感心してる場合じゃない、教室の中から3人がこちらを見ている。

ゆうちゃんなんか、ちょっとキョドりぎみだし。