「いや。何となく…どぉなんだろうなぁ〜って思って。」

「…そっか。」

そう言ってまた歩き出したコータローが、ふぅっと息を吐いた様に見えた…。

そして階段を半分くらい登ったあたりで、

「清田さん、オレに気があるのかと思ったし(笑)。」

ーーー言ってから、いたずらっぽくニッと笑った。


「そんな訳ないじゃん!だいたいあたし彼氏がいるんだから、からかわないでよ。そうじゃなくてゆうちゃんが…!」

「ゆうちゃんって?」

「…あ。」

ここまできたら、黙っておけない。

黙っているつもりはなかったけど、今日言うつもりもなかった。

上手く話せる自信がなかったから、メールでもしようかと考えてたのに…。

「ゆうちゃんって、クラスの子なんだけどさ…。」