久しぶりに聞くその音と同時に聞こえたのは、久しぶりに聞くーーー声。

「清田さんも売店?」

廊下を歩くあたしの後ろから、流れてくる様だった。

「あ、う…うん。」

「てか話すの久しぶりじゃない?」

「そーだね。」

あぁ、だめだ。

ゆうちゃんのために一肌脱がなければ、という気持ちからか、上手く話せない。

あたしってプレッシャーに弱いわね…。

だから受験も失敗したのかなーーーまだこんな事を考えてる自分が嫌になる。

「オレ最近忙しいからかな。」

「コータローも忙しいの…?」

「オレ”も”?」

「ごめん、何でもない。こっちのこと。」

「ふーん…。」

あたしはいつの間にか、コータローと並んで歩いていた。


シャラ……

コータローの音、嫌いじゃないな。