「はいはい。」

苦笑いをする美羽は、やっぱり長い髪がよく似合っていた。

あたしは伸びてきたから、そろそろ切らなきゃな。


「…。」

翔矢ーーー…。

翔矢は、不安になったりしないの……?

付き合ってしばらく経ったカップルなんて、こんなもんなのかな…?


あたしは、吐き出せないため息を身体に溜め込んだまま、ケータイでいつもの美容院に予約を入れた。


「じゃぁ、ちょっと行ってくるね。美羽はオレンジジュースだったよね。」

「うん。ありがとう。」

「行ってらっしゃい。」

お昼ーーーあたしはみんなに見送られ、売店へ。

今日は美羽のお使いも兼ねて。

廊下の窓から、あたしの不安な気持ちを無視するかの様に、よく晴れた青空が見える。

あたしの胸中なんか知ったこっちゃないと言われているみたいだ。


シャラリ…