「あはは!清田さんヘタすぎる(笑)!」

シャラ……

「蹴ってって言うからでしょ⁈だいたい砂浜でサッカーなんてしないでしょ⁈」

背後から美羽たちの笑い声も聞こえて恥ずかしくなり、つい大きな声をだしてしまう。

シャラ…

波音に混ざる、コータローの音。

「あはは、ごめんね!ありがとう!」

そう言ってふんわりと笑うと、背を向けて走って行った。

「………。」


キレイ……。

キレイなフォームで、走るんだ…。


「わゎッ…!」

思わずコータローに見惚れてしまったあたしは、手に持ったソフトクリームを落としそうになった。

「繭子セーフ。てかさっきの運動音痴ぶりには笑ったわ。」

愛衣が、言いながらまだ笑っている。

「違うもん、あれはソフトクリーム持ってたから…。」

「はいはい。」

言い訳もむなしく、風に流されたみたいに何処かへ行ってしまった。