「あくまでも外見の話だよ。だって大事なのはやっぱ中身じゃん?」

あたしはうんうんと心の中で頷いた。

翔矢の優しいところとか、大好きだし。

「あ。」

突然美羽が、変な声をだした。

「”あ”?」

あたしが聞き返すと同時くらいに、愛衣が”あ”の意味する方を指さしていた。

振り返ると、なぜかサッカーボールがこちらに向かって転がってきていた。

「悪ぃ!」

そう言って走ってくる声に混ざって聞こえたのは、あの音ーーー…。


「これ、コータローの?」

「あ、清田さん!こっちに蹴ってくれない?」

「え〜…?」

と言いつつ立ち上がり、コータローへ向かってひと蹴り……したつもりだったけど、砂浜ではうまくコントロールできなくて見当違いの方向へいってしまった。

それを、コータローの後から来た男子が何とか受け取った。