「ならいいんだけど。オレも学校あんまり楽しくなくてさ。だからかな、清田さんもそんな風に見えたんだ。同じ人同士ってわかるって言わない?あ、オレもって清田さんは違うのか(笑)。」

「あはは。そうだよ、あたしは違うし。」

あたしは……。

「うん、ホントごめんね。じゃぁ!」

教室の前に着いても話していたあたしたちーーーコータローは友達に呼ばれて戻っていった…。

軽く手をあげてコータローを見送るあたし……あたしも教室に戻らなきゃ。

「……。」

下ろした手が、桜の花びらみたいで……、あてもなく揺れていた。


あたしは………。

ううん、あたしも、コータローと同じだよ。


「繭子って、木村くんと付き合ってるの⁈」

戻るや否や、愛衣が顔を突き出して聞いてきた。

「木村くん?誰ソレ。」

あたしは売店の袋からパンを取り出しながら、サラっと答えた。