「た、たまに、かな。」

無視する理由がないあたしは、半分くらい目を合わせて答えた。

「ふーん。ね、せっかくだからそこの中庭で一緒に食べない?」

「せっかくだからっていう意味がわかりませーん。友達待ってるから教室戻るし。」

あたしはコータローから目をそらし、横目で中庭を見た。


「じゃ、教室まで一緒に行こ?」

「…。」


何でそうなるんだ…と思っても、隣のクラスだから当然同じ方面な訳で、これまた断る理由がなかった。

会計を済ませたあたしたちは、並んで教室へと向かう事になった。

ちらほら、あたしとコータローを目で追ってくる生徒がいる。

その大体が、校章の色があたしと同じーーーということは、1年生。

コータローは背も高いし顔もそこそこーーーらしい。美羽が前に言ってたからーーー加えて可愛らしく笑うもんだから、ちょっとした目立つ存在なのだろう。

新学期早々、陸上部に勧誘されて話題にもなってたし。