こういう、よくわからない展開になるのが、コータローとの会話。

「あたしは家が遠いから帰宅部でいいの。」

「ふーん…。」

キーン…コーン……


「もうこんな時間か。オレも後でメールする!じゃぁね。」


予鈴が鳴り、教室へ入っていったコータロー。

少し遅れて、あたしも教室に入っていった。

「おはよー。」

「おはよー繭子。またコータロー?廊下で話してたでしょ?」

美羽が、意味ありげな表情であたしを見る。

「たまたまだよ、たまたま。」


そう、たまたまーーー…。

待ってたなんて言ってたけど、きっと、たまたま会っただけ。

「何だかんだ仲良くしてるんだ。」

「えー、やめてよー、違うし。」

茶化す美羽をかわしたあたしは、席についてカバンを開けたーーー。


そして頬杖をつきながら再び睡魔と闘うあたしを引き戻したのは、ポケットの中のケータイのバイブだった。