「あ、そうでした。」

そう言ってペロリと舌を出した美羽は更に、

「でも、ぼちぼち顔良くなかった?」

と、付け加えたのだった…。

「そぉだった?よく見てないや。」

翔矢の方がかっこいいし!

答えた後、あたしは心の中で反論していたーーー…。

「ねぇ繭子、今度みんなで遊びに行かない?繭子の彼氏も誘って。5月の連休あたりとかー。あたしの彼氏に車だしてもらお?」

「いいね、それ。ダブルデート?」

「ダブルデートって古くない(笑)?」

キーン…コーン……

あたし達のクスクス笑う声はチャイムに消され、そのおかげで担任に注意されずに済んだーーー。


ホームルームが終わるとまもなく、1限目の授業が始まる。

新学期効果だろうか、大半の生徒は真面目に教科書とにらめっこしている。

最も、にらめっこしているだけで、あたしみたいに他ごとを考えてる子もいるんだろうけど。