「てかさっき、何であたしの名前……。」

「え…だってオレ……。あ、スリッパに名前書いてあるし。」

「あたしも知ってる、”コータロー”でしょ?昨日そう呼ばれてたもん。」

「…。大正解!」

そう言ってにっこり笑うコータローは、その長身に似合わずやっぱり可愛い印象をうけたのだった。

「ちなみにクラスは1-3で…。」

「そんなの靴箱が同じ列なんだからわかるよ。」

「誕生日は明後日!」

「はいはい…。」

どーでもいいんですけど、何なのこのノリ。


キーン…コーン……

「あ、予鈴!行かなきゃ、じゃぁね!」

あたしはラッキーとばかりに走り去った…。

何なんだ一体、朝から面倒くさい。


「おはよ〜。セーフ。」

担任は来ていたけど、ホームルームは本鈴の後ーーーあたしは美羽にあいさつしてから席についた。

「電車乗り遅れたの?遅かったじゃん。」

「ううん。あの子に会った。」

「あの子?」

頬杖をつくあたしを、不思議そうに見る美羽。