「か、彼氏とも…別れたんだけど……。」

だめだ、上手く言えない上に、泣けてきた。

それでも、想いを形にするためには、言わなきゃいけないんだ…。


「…コータローのこと、気づいたら好きになってて……。でもやっぱり、ゆうちゃんに…も、申し訳なかったり…カラオケ屋さんの女の人とか、気になったり…。ごめんね。ワケ…わかんなくなってきた…。」

最後の方はグズグズで、ちゃんと伝わっているかもわからなかった…。

「カラオケ屋さんの女の人?…あぁ(笑)、あの人なら大丈夫、みんなにあんな感じだから。それより、涙とか拭いた方が…。」

「…うん。」

涙と鼻水で、あたしの顔はヒドイんだろう…あたしはカバンからタオルを取り出して、顔を覆った。


「そのタオル…。」

言われてハッとした。

「ごめんッ!返そうと思って持ち歩いてて…。また、洗って返すから。」

あたしが無意識に取り出していたのは、コータローから借りっぱなしになっていたタオル。

あの、キレイな青色のーーー。