あぁもぉ……何でこんな日に…。


空は良く晴れていたーーー雲を押しのけ晴れすぎている空は、眩しすぎて直視できない。

そんな空の下を歩くあたしの身体は、すぐに汗を作っていく。

今日は追試の日、あたしは電車を乗り継いで、いつもの道で学校へ向かっていた。


「あ、おはよー愛衣!」

校門を抜けたところで愛衣を見つけ、あたしは小走りで追いついた。

「おはよ繭子。明日からやっと本当の夏休みだね〜。」

「あははー。」

愛衣は3教科も補習だったから、あたしなんかよりずっとキツかっただろうな。

「追試おわったらゴハンでも行く?」

「追試の打ち上げ(笑)?」

「そうそう♪」

もう追試が終わった気でいるあたし達は、並んで階段をのぼっていった。


「繭子。」

階段をのぼりきったところで名前を呼ばれ、あたしは声のする方を見た。