幼なじみで何でも解り合えていると思っていた雪乃と、本当の意味で解り合えた気がする。

まさか、お互い羨み、妬み合っていたなんて…。

やっとスタートラインに立ったのかな、あたし達。


「お待たせ。飲も飲も。」

「うん。じゃぁカンパイだね!」

あたしは雪乃からコーラのペットボトルを受け取ると、プシュっと音を立ててフタを開けた。

「繭子、ホントごめんね…あたしひどい事たくさん言ったよね。」

「大丈夫、翔矢に腹立ちすぎて忘れたから。」

「…ありがと。」

そう言った雪乃は、涙目だった。


いつもなら簡単に逃げてたあたしーーーそれが、翔矢や雪乃に正面から向かって行くことができた。

そしてそのおかげか、不思議と翔矢の事はふっ切れて、今こうして雪乃と笑い合えていることを、とても清々しく思う。


そうしてやっぱり想うのは……コータロー。

あの音を思い出すだけで、ゆりかごに揺られてるような…優しい気持ちになるんだ。

「ねえ繭子、その袋なに?」

「え…?あっ‼︎」

雪乃が指差したのは、アイスの入った袋……あ〜ぁ、完全に忘れてたよ。