「コータローが…よくわかんないよ。あたし帰るから。」

あたしはさっき、ゆうちゃんに約束したところ。

好きに、ならない。

その為には、出来るだけ関わらないようにしたい。

正直まだ、翔矢の事を完全に忘れた訳じゃないし…。


それなのに、思い出すーーー……。

好きだと、告白された事。

抱きしめられた事。

キス、された事。


その度に、揺れる……。

揺れる、あたしの中の何か。


「コータローってさ、ホントに繭子の事が好きなんだろうね。」

「え?」

コータローと別れた後、美羽が空を見ながら言った。

「だって、一生懸命友達やってない?好きな子に彼氏が居て、フラれてるのにさ。コータローは別れた事知らないんでしょ?」

「…。」


もうすぐ…一番高くなる光が、ただ眩しくてーーーあたしは、何も考えられなかった。