加えて風もほとんどなくて…溶けてしまいそうな暑さだけが付きまとう。

それでも、あたしの足取りはしっかりとしていた。

「今日はカラッとしてて、夏休み来たー!って感じじゃない?」

「…。」

そうか…。

あたしも、そんな風に考えられるようにならなきゃ。

「そうだね!」

雲がほとんどない青空から降り注ぐ太陽の光は、キラキラとあたしを輝かせる光。


それは穏やかな波のようで、あたしをどこまでも導いてくれるーーー。

あたしは美羽に、笑顔を向けた。


”あたしは……好きにならないから。”


これで良かったんだと、言い聞かせた……。


「あたしの予想が外れたわー。」

駅前の横断歩道まできたところで、美羽に言われた。

「なに?予想って。」

2人で信号を待つ。