「美羽って、お姉ちゃんみたい…。」

「えぇっ⁈なにそれー(笑)。」

少しの驚きの後、笑顔でそれを受け入れてくれる辺りなんかも、ホントお姉ちゃんみたい。


「ゆうちゃんに、コータローの事好きにならない…って言ってきたの。」

あたしは美羽に抱きついたまま、落ち着いて話した。

「繭子は、それでいいの?」

ようやく離れて見た美羽の表情は真剣だったから、あたしはその顔を正面から見れなかった。

「いいも何も、好きかどうかもわかんないし。今は連絡もしてないしさ、向こうだってもう何とも思ってないかもじゃない?」

「…。」

美羽は、何も言わなかった…。

そして、ゆうちゃんを1度見てから「帰ろっか。」って笑顔で言ってくれた。



「うわー、超暑い…。」

学校から外へ出ると、灼熱地獄のようだった。

11時20分という時刻のせいなんだろうか、暑さはこれからピークを迎えるというのに、既に暑すぎる。