キーン…コーン……

「ーーーはい、じゃあ次は出校日な。ちゃんと来るように。」

担任が最後に一声かけると、話が長かったと言わんばかりに、教室内は途端に騒がしくなっていった。

まるで、一気に冬から夏になったような華やぎよう。

「美羽ごめん、ちょっと待ってて?」

「うん。どした?」

「…。」

美羽のその質問には答えず、あたしは教室の中を歩いた。


「…繭子……。」

あたしの名前を呼んで、少し驚いた様子で座ったままあたしを見上げているのはーーーゆうちゃん。

「ゆ、ゆうちゃん。」

久しぶりで緊張してることもあって、すぐに言葉が出てこずゴクリと生唾を飲み込んだ…。

それでも目をそらしちゃいけないと思い、あたしはしっかりとゆうちゃんを見て、ゆっくりと言った。