「…日本史。」

「そっか。日本史ダメだった、って言ってたもんね。」

「夏休みをフルに満喫できる美羽が羨ましいよ〜。」

「あはは。次がんばれ(笑)。」

「ゔ〜…。」

愛衣は確か、数学と化学と生物って言ってたっけ……思いっきり理数系が苦手なんだな。

そんな事を思いながら、補習の予定表とにらめっこ。

「…。」


コータローは…補習ないのかな。

バイトしてたくらいだから、きっと余裕なんだろうな。


「よし。それじゃぁそろそろ終わりにするか。高校生初めての夏休み、あまりハメを外さないようにな。それと宿題だがーーー…。」

担任があれこれ細かい事を言い始めたから、あたしは頬杖をついて聞いてるフリをした。

他のみんなもチャイムが鳴るのが待ち遠しいのか、どことなくソワソワしているように見える。

あたしも、荷物をしまって帰り支度を始めた。