「それにしても蒸し暑いねー。繭子、スタバ寄っていかない?」

「いいね、お腹も空いたし。」


「オレも腹減った〜。」

ーーーシャラ…

突然背後から声が聞こえて思わず振り向いた視線の先には、笑顔のコータローが居た。

「コータロ……。」

何だろう…この複雑な、でもホッとしたような気持ちは。

「あたしが誘ったのは繭子だけですー(笑)。」

美羽が、わざと意地悪を言っていた。

「いいじゃん1人くらい増えても。久しぶりなんだし。ね、清田さん。」

何であたしに振るのよ…。

「やめてよね、誰のせいで繭子がしんどいと思ってるの?」

「あ…。」

コータローが一瞬目を見開いた後、僅かに表情を曇らせた。

「やだ美羽、何言ってんの。あたしやっぱ帰ろっかな〜。テストの出来も良くなかったし。あ、そう言えば予選通過、おめでとう…っ。」

ホッとしたのも束の間、もう何が言いたいんだか…頭の中がパニクりつつあった。

「あぁ、うん。ありがとう。実はオレ今からバイトなんだ。」