晩ごはんを食べて部屋に戻ったあたしは、お風呂に入るまでの間、いつも通りケータイとにらめっこ。

メールチェックをしてからケータイゲームをするのが、普段の流れ。

「……。」

だけど、あたしの指は…動けないでいた。


《今日はメールありがとう。予選通過できたよ!》

コータロー……。

ふと、遠足の時に見たコータローの走る姿が甦る。

あのキレイなフォームで…走ったんだろうな。

翔矢は補欠だったけど走るかもって言ってて、結局どうなったんだろう。

ゆうちゃんは、応援に行ったのかな…。

「…。」

翔矢にフラれたばっかりだというのに、他の事を考える余裕がある事に少し驚きつつ、既に立ち直り始めているのかも…なんて安堵の気持ちもあった。


それだけ…あたしの中でその存在が大きくなっているのかな。

「コータロー…。」