今はあたしに、コータローの話題を振らないで…。

そう祈るしかなかった……。

友達として、メアドをゆうちゃんに教えたコータロー……あたしも知ってるなんて、もう言えない。

あたしが知ってる理由は、ゆうちゃんとは違うから……。


ーーーそうして訪れる週末…週が明ければ、週も終わる。

あたしと美羽は、明日の土曜日にどこか遊びに行こうと話しながら帰り支度をして、昇降口へ向かって歩いていた。

「どーするー?あたしはカラオケ行ってストレス発散したい気分だけど。美羽は?」

「カラオケだったら愛衣とかも誘いたくない?まぁ今は失恋からも立ち直ってそうだけど(笑)。」

そうだった、潮干狩りの時にカラオケ行こうなんて話題になってたな。

「うん、愛衣は強いわ。じゃぁ買い物するー?美羽の家の近くのショッピングモール、最近改装したでしょ?そこ行こうよ!」

「うん。そうしよ。……あ。」

「”あ”?」

あたしは、美羽の視線を追ったーーーその先には、昇降口の前の廊下の窓際に立つ、コータロー。