「ただいまぁ。」

あれこれ考えてる間に、ゆうちゃんが帰ってきた。

そして、コータローの話題になることが、日課と化していた。

「…。」

あたしは、メアドを知ってる事も告られた事も……言えないでいた。


ふわふわ…ゆらゆら……あてもなく彷徨い、ゆらゆらと…揺れてるあたし。


翔矢…会いたいな……。


「聞いてー!やっとメアド聞けたよ。」

売店の袋から、ガサガサと音を立ててサンドイッチとジュースを取り出しながら、満面の笑みを浮かべるゆうちゃん。

「…。」

チクリと、少しの罪悪感。

「やったじゃんゆうちゃん!」

「ありがとー愛衣。でもね、”友達としてなら”だって。」


…罪悪感が、少しどころではなくなった。

「今はそれでもいいんじゃない?一歩前進だよ。ねぇ、繭子?」

「そうだね、美羽…。」