傘で雨音を受けながら、駅までの道を歩く……今日はコータローも自転車ではなく歩いていた。

「…。」

コータローは…コータローも、学校があまり楽しくないと、前に言っていた……。

部活とバイトを両立してて、友達もたくさんいそうだし、ゆうちゃんからも好かれてて…楽しそうにしか見えないのに。

「…なに?」

考えながら、チラリとコータローを見たら気付かれてしまった…!

「え…ッ⁈あ、いや、コータローって、学校の何がつまんないのかな〜…って。楽しそうに見えるから…。」


「楽しそうに…してるだけだよ。」

「…え……?」

「なんてね。みんな、色々あるでしょ?清田さんこそ何でつまんなそうなの?」

一瞬真顔になったかと思ったら、もういつものコータローに戻っていた。

「だからあたしは、そんな事言ってないでしょ⁈」

「あはは!顔が”つまんない”って言ってるし。」