「おはよ。」

教室に入り、美羽と愛衣が話してる輪に入っていった。

「今日すごい雨だよねー。繭子けっこう濡れてるけど大丈夫?」

「うん、ヘーキ。」

気にかけてくれた美羽を、笑顔で交わす。

こんな日でもちゃんと化粧してくる美羽や愛衣はさすがだと思う。

あたしなんか、最近ノーメイク。

別に見せる人もいないし。

「ねぇ繭子!あたし美羽の彼氏の友達を紹介してもらえそうなんだー♪」

湿気を含んでジメジメした教室の中で、愛衣はカラっと明るく元気だった。

「良かったじゃん。うまくいったら教えてね。」

当たり障りない事しか言えない自分が、嫌になる。

「もちろん!てか繭子暗いぞ〜。何かあった?彼氏?」

浮き沈みの原因が男関係となると、愛衣は敏感だ。

「ちょっとね…最近ビミョーでさ。」

「そぉなの?あたしみたいに浮気されないようにね〜。」